雑感-良い小説とか音とかコンテンツとか

良い小説かどうかの大きなポイントはただひとつ「言っちゃわない」かどうかだ。
これは音楽でも絵画でもなんでもいいんだけど「言っちゃう」とオシマイである。
それを物語に付与するから、音楽に付与するから、それを別のラインでパラフレーズを繰り返すから、重厚なパースペクティブとなり骨太な作品に仕上がっていく。

どんな角度の読み込みに耐えるから長きに渡り残る作品となり、ボクもいくつかの小説は既に20回は読んでると思うのだけど、ボクが時間を経るたびに別の角度からアタックするも、同じような驚きを与えてくれる。
例えば「ライ麦」のホールデンくん何かもそうで、とことん成長しないし、何も言っちゃわない。いや常にブツブツ言ってるけど、啓発めいた事は一切言わない。ニューヨークをふらふら徘徊してるだけだ。神経症な子供の戯言に思うが、これも言っちゃわないこそ、ホールデンの社会との葛藤を物語に付与して丁寧に描くからこそ、60年にも渡り読まれる作品なんだと思う。
ここでホールデンくんが「希望だ!」とか言い出したらオシマイ。
そして音楽で言えば・・・とか言い出すと延々に書ける気もするのでやめとく。

たださ、でもさ、今本当にそれを求めるのか?と言うとそれも無茶かなとも思ってるのも確かだ。
というのもお金を落とさないユーザーは何も言う権利が無いというのはコンテンツビジネスの基礎的考えだと思う。
重厚な作品を出したところで売れるのか?と言われると間違いなく売れない。もう2時間ジッと座って鑑賞してくれる人数は非常に少ない。世の中のコンテンツ供給量と可処分時間が合ってないのだ。
いまJPOPのヒットチャートなんて、AKBとジャニーズとエグザイルぐらいだ。それに対して何かを言うのは簡単かもしれないが、でもビジネスとする以上、お金を出してくれるユーザーが望むものを作るのは摂理だ。言い切っちゃっても音楽としての価値は無くても、それらを作るしか無い。
そう思うとさレディーガガは上手いなとつくづく思う。
瞬間的なキャッチーさで引き寄せてからのガツン!という方法論しか今は通じない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。