雑感-うまく年を取る方法

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もしアナタが今から富士山を登頂するとして、どのような準備をするだろう?もしくはエベレスト登頂なら?
防寒着やピックを用意するかもしれない、当然水や食料も必須だ、アンダーウェアや雨用のグッズも必要かもしれない、怪我や病気を考えて応急グッズなんかも持っていくかもしれない。
天候や気温や重量など、自分の能力を考えたうえの準備をするに違いない。
サンダルと短パンで登頂狙いますというのはパフォーマーか、世間知らずのどちらかに思う。

多分それぐらい念入りに準備をするだろう。エベレスト登頂というのは生半可なモノではないのだ、多くの困難や苦境は想像に難くない。

そして最近、人生においてエベレスト登頂並みの困難が「うまく年を取ること」だと感じてる。
もちろん人はダラダラと年を取れる。ただダラダラと上手くの間には、とても大きな壁が存在してる。

ボクは昔、1人飲み屋ハシゴというの半年ぐらいしてたのだけど(1日で飲み屋をハシゴする)その折に色んな人に出会ってきて、そのなかで何人もの上手く年を取ることが出来なかった人に出会ってきた。
彼らと話していると、とても落ち着かないキモチになる。
彼らが話の多くが、今ではなく、昔の話が多い。

かつてのあった日々を懐かしんだりしてる。今の多くの話は愚痴である。もしくは誰かの(政府でも芸能人でも)批判である。
彼らの多くは当時は普通だったことが、時間を通過し、過去普通のものが「理想」となり、「自分の輝かしいストーリー」となり、その時の自分が「憧憬」の対象となっているように感じる。
社会学では、昔の自分と比較して(他人でも)今を不幸と感じることを「相対的剥奪」というらしいが、それに近い。

過去を変えられるのは、自分だけ、と言ったのは誰だったっけ?

うまく年を取るということの難しさは不可逆性にあって、例えば富士山登頂ならば、登頂に失敗しても、またアタックすれば良いのだけども、基本的に過去に後戻り出来ない。不可逆がルールだ。過去のファクトに執着するととても苦しい。過去は認識を変えて、再定義しなおす必要がある。

年をうまく取るには、自分が大事にすべきことは、できるだけ形じゃない何かに持つのが良いのではないか。形ある何かから、形のないプロセスにシフトすること。そのために今から準備を怠らないようにしたい。常に今を見る、感情の動きに敏感になる、それらを通じて形をないプロセス、今を楽しむことを大事にしたい。と思う。

 

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