書評-ジブリというスタジオが作った千と千尋の神隠しって映画マジで面白いから見たほうがいいよ

年末年始のテレビのロードショーで千と千尋を見たのだけど、スゴい出来で驚く。こんなに面白い映画なのかとビックリした。そして感動した。
なるほど。
この数年自分は映画というのをほとんど見なくなってしまって久しいのだけども(1年に1本見るかどうか)ちょっと映画素人だが映画の感想を書いてみたくなった。というわけで千と千尋面白いからオススメ、見たほうがいいよというエントリー。

たださマジに素人なので、基本的な構造が分かってない可能性があるが、そこは容赦いただきたいが、容赦してくれなくてもいいな。任せる。

千と千尋は、少女の成長物語だろう。これに異論はあるまい。
千尋が不思議な世界に迷いこんでしまい、色んな出来事を通じて、成長する物語だ、まあ何というかよくある構造である。
少年少女が成長すると言えば、ハックルベリー・フィンでも良いし、不思議さを出すならアリスでも良い。古くから伝わる構造だろうと思う。

千と千尋のストーリーは今更かたるまでも無さそうだけども、さらりとあらすじを書けば。
主人公の千尋が引っ越しをすることになり、両親と共に車で移動してると、森のなかに迷い込む。千尋の両親は欲望主義な(お金さえ払えば、自分の欲を通しても問題無いと考える)俗物であり、彼らが自分の欲求のまま行動していくと、不思議の国に迷いこんでしまう、そこでは両親が豚にされ、千尋は色んな人との出会いによって成長し、豚になった両親を助け、現実世界に戻るという物語だ。

ただ不思議の国と書いたが、それはファンタジーだがもちろん全てが象徴であり、一見大衆浴場のような風俗産業的な(温泉街のような)モノに見えるが、細かく読み解いていくと、社会のシステムの成り立ちのようなモノを感じる。

ちょっと一度しか見てないので、細かいところを覚えてないが、例えばエレベーターに乗り合わせる大根の化け物は、通勤電車に乗る無個性なサラリーマンのように見えるし、足いっぱいな人もタグ付けされた内容だけで物事を処理するシステムだろう。
そういう資本主義における社会のシステムによって心を無くしたり忘れたりした人たちを描いてる。ユババもそうである。(あとあと自然で過ごすもう一人のユババや、自分の子供の仮の姿を見破れないのも心を無くしたという証左だ)

そしてその不思議の国での心は自分の名前がとても大事で、心をなくすと自分の名前を忘れてしまうという仕掛けだ。名前がイノセントの証である。名前を忘れてしまうと、イノセンスは失われてしまい、システムに飲み込まれてしまうのだ。だから不思議の国に来てハクが千尋にアドバイスをしてくれる「名前だけは忘れてはいけないよ」と。
ユババの子供もカラスもカオナシもみんなシステムの被害者であり(お金という資本主義のシステムだったりもする)、システムによって変わってしまった人々だろう。
千と千尋において、ハクが善なる導き手という構造である。
ただそのハクも名前を忘れてしまっている被害者だった。ただ千尋はハクの最後に残ったイノセンスを見つけ出し、彼の名前を思い出し、彼を救う。
そして最後に千尋はシステムに負けず、そのままの自分で居ることができ、豚になってしまった両親を助け出すというお話だ。

全体の構造としてはこうなのだが、何が面白かったのかというと、そのストーリーとアニメーションの関係性が優れているのだ。

宮崎さんはストーリーとアニメーションが等価どころか、アニメーションがそれを上まってるように感じたのだ。すなわちこれが表現したいこれが伝えたいというよりこんな絵を描きたい!見せたい!という思いから組み上げられたかもしれないと思えたのだ。あの両親が欲望のままにメシを食う醜さだったり、あの大根の満員電車のなかの優しさひとつだったり(でも空気を読めないサラリーマ)ひとつのストーリーというよりはひとつのアニメでありシーンであり動きが優れてる。

だからひとつひとつのシーンがいちいち面白く、感心し、引きこまれてしまった。
まっくろくろすけの労働感もステキで、電車に乗って行く牧歌的な映像も(システムからの移動のために美しい自然のシーンにする必要があったろう箇所だ)そして最後の千尋が両親の豚を見つけて「大当たりー」というところで、感動して、ついガッツポーズをしてしまった。成長した!(もしくは成長しなかった!)と感動してしまった。エンターテイメントとしてステキだと思う。

もちろん気になるところも大いにある。千尋のキャラがイマイチ乗ってないことだ、一体どんな人間なのかがイマイチよく分からない。初めの怖がってて、
そして両親があまりに物欲主義っぽくて、似てなさすぎるというのは、あまり宜しくないようにおもう(こうなるとハックルベリーの父性からの逃避みたいな所を描く必要があるようにも思う。その後千尋は両親ときちんと生活できたんだろうか)

僕が思う優れた物語というのは、色んな箇所に開かれた物語だと思う。色んな視点があって、色んな読み方があって、色んな捉え方が出来る物語だ。一本道じゃなくて、こちらの経験によってまた違うルートが広がるような物語だ。
千と千尋はそこまでの映画ではないのかもしれない。ただそれでも、この映像から見せる少女の成長物語とそれに乗せられた映像とアニメーションはとんでもにエンターテイメントだと思うのだ。成長する千尋に一緒にドキドキしながら、圧倒的に美しいファンタジー世界で魅せつけて、きちんとした成長のあり方を描く姿に感想したのだ。

いやー年末年始の映画が面白くて、久しぶりに映画を見たくなりつつ。
というわけでハウルの動く城を再チャレンジしてみようかなと思ったりしてます。というわけで千と千尋オススメ(セントチと訳しても良いかもしれないね)

書評-小澤征爾と音楽の話をする-村上春樹

ブログにて書評するか悩んでいたのだけども、
誰も書評を望んでいないとしてもさ(明らかにアクセスされない)インプットし
たものを別の視点から再構成してアウトプットするという試みは続けていきたい
ので、定期的にやろうかと思います。自己満足書評。

ただそれとしてもビジネスだのITだの純文学とかみたいになると肩も凝ると思うので、あまり皆さんが(自分も)日々取り込まないであろう部分に絞って書評を書いていこうと思う。自分がそのタイミングでどの程度の認識をしてるかも残しておきたし。

ということで初回はクラシック。
以下にて。
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